ベルカント音楽学院

ブログ

フルート名曲集シリーズ Part5 『子守歌(ケーラー)』

フルート名曲集をみてみよう!ソロ編 
「フルート名曲31選」よりケーラー作曲”子守歌”

①.曲名はベルスーズ(フランス語で子守歌の意)。日本の子を寝かしつける歌と違い、子を寝かしつけてる母親の様子を表している。

②.作曲はケーラー(1849〜1907)。イタリア生まれのフルーティスト。フルートのための小品を数多く残してる他、フルーティストを志す方が勉強する練習曲も残っています。

③. モデラートは中くらいの速さ。ゆりかごのようなリズムが場面を変える毎にテンポも変わっていきます。45小節めagitato(アジタート)激しくの意味ですが、寝た子を起こさないように。53小節めaccelerando(アッチェレランド)はさらにテンポを上げて流れるような感じで吹いてください。ここからは後半に向けてテンポがゆっくりな方向へ動きますので注意しましょう。78小節めからはテンポも軽やかな色合いに変わりますが、段々静かに消えるように吹きましょう。赤ちゃんはよく寝てるハズ。



【注目ポイント!】

63小節めのコモダメンテは(気楽にという意味)メロディが伴奏に移りフルートはオブリガートを演奏します。ひたすら16分音符の動きですが、メロディと同じフレーズ感を持って強弱をつけましょう。技巧的にならず、まさに気楽に聞こえるように演奏してみましょう。

フルート講師 八木秀之

【伴奏プチアドバイス】

前半はゆりかごの動きのイメージで過度な拍節のアクセントがつかないように弾きましょう。63小節めのコモダメンテはピアノにのみarmonioso(アルモニオーソ。協和的、調和をもって)とあります。3つずつの左手の音が溶けあうように弾きましょう。右手のメロディは冒頭のフルートとは反対にオブリガートと揃うよう、淡々と弾きましょう。

ピアノ講師 寺澤佳江